なぜこんなに高いの?日本の自動車税に隠された5つの不都合な真実

自動車税なぜ高い?アイキャッチ

毎年5月に届く自動車税の通知書を見るたびに「今年も高いな…」と肩を落とす人は多いはずです。

筆者の車は13年以上の旧車なので「環境に悪い」とレッテルを貼られ、さらに高い自動車税を払っています。

税金が社会に必要なものであることは理解していても、自動車税の複雑さと高額さには大きな負担を感じてしまいますよね。

そこで今回は11月に法案が通ったガソリン暫定税率の廃止を皮切りに、日本の自動車税が高すぎる理由、JAFが行ったユーザー意識調査の結果をわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、日本の自動車税がいかに高いかユーザーとしてどのように向き合えば良いかのヒントが得られます。

この記事を書いた人
たかまる FP✕旧車歴30年
  • 旧車歴 30年
  • カバー歴 17年
  • VWゴルフ2オーナー
  • サビ・キズ・故障はできるだけDIYでやっつけるなど、維持費削減も忘れません
  • 特技:家計管理
  • FP3級
  • 簿記3級
  • コスパよく車を維持する視点で発信中
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日本の自動車税は高すぎる

日本の自動車税が高いと感じる人は、どれくらいなのでしょうか?

日本自動車連盟(JAF)の調査によると、自動車税を「非常に負担に感じる」と回答した人の割合は、2016年の54.7%から2025年には71.0%へと急増しています。

グラフ「過去10年間の負担感の推移」(出典:JAF)
図解「過去10年間の負担感の推移 」(出典:JAF)
図解「自動車税制に関するアンケート調査」(出典:JAF)
図解「自動車に係る税金をどのように感じますか? 」(出典:JAF)

グラフが示すように物価高が進む中で、多くのドライバーにとって自動車税が無視できない生活コストになっていることを示しています。

日本の自動車税はアメリカの約23倍!世界でも突出した重税国家

JAFの報告書によると、日本の自動車保有にかかる税金(消費税を除く)は、他の先進国と比較して突出して高い水準にあります。

その差は、ドイツの約3.4倍、そしてアメリカの約23.4倍にも達します。

図解 税負担の国際比較(出典:JAF)
図「自動車税負担の国際比較 」(出典:JAF)
たかまる

国土の大きさから考えてもドイツとイギリスの中間くらいの税金になってほしい。

なぜ日本の自動車税はこれほど高額になるのでしょうか。

その大きな理由として世界でも類を見ない複雑な構造があげられます。

日本の自動車税はドライバーをどこまでも追いかけるように、以下の3つの段階でそれぞれ税金を課しているのです。

【自動車税の内訳】
  • 買うとき:自動車購入時に課税→環境性能割、消費税
  • 持っているだけで:保有していると毎年課税→自動車税、自動車重量税
  • 走らせるたびに:自動車に乗ると課税→ガソリン税、消費税

特に車検ごとに課税される「自動車重量税」はアメリカ、ドイツ、イギリス、フランスには存在せず、日本の税負担がいかに異質で重いかを象徴しています。

明るいニュースも!ガソリン暫定税率が廃止になる

暫定税率廃止までの流れ
出典:読売新聞 10月31日

ガソリン税と軽油引取税の暫定税率の廃止法が、11月28日の参院本会議で成立しました。 

ガソリンの暫定税率(1リットルあたり25.1円)は12月31日、軽油分(17.1円)は2026年4月1日に廃止されます。

現在は石油元売りに補助金が出ているので、段階的にガソリン価格が下がってきています。

50年も続いた「暫定税率」:その理不尽な歴史とは

国会議事堂

「環境性能割」は単なる名前の付け替え

自動車 予算 税金 イメージ

環境性能割は2019年に廃止された自動車取得税(2.25%)の代わりに、「名前を変えただけの税金」として指摘されています。

2020年度燃費基準達成車でない車を購入した場合、2%の税金を納めることになります。

目的を失った税金「自動車重量税」

道路工事

もともとは道路整備のために集める「道路特定財源」でしたが、2009年に道路以外にも使えるように「一般財源」に入れられてしまいました。

上乗せのガソリン暫定税率

ガソリン税などに上乗せされている、いわゆる「暫定税率」は、もともと1974年に道路整備の財源を確保するための「時限的な措置」として導入されました。

その「一時的」なはずの措置が導入から約50年もの間、目的が達成された後も継続されています。

明確な論理的説明もないまま、税負担が続いていたのです。

JAFのアンケート調査では、9割以上の自動車ユーザーが、暫定税率の上乗せ維持に「反対」の声をあげています。

図解「ガソリン暫定税率に対する意見」(出典:JAF)

ガソリンを入れるたび、「税金に税金」を払わされている

ガソリンスタンド

スタンドで給油する際、私たちは「税金に税金を支払う」というおかしな状況に置かれています。

ガソリンの本体価格にはまずガソリン税が上乗せされ、その合計金額に対して、さらに消費税が課されており、本来価格の1.9倍の値段を払っているのです。

ガソリンの小売に課せられる消費税
ゆっくり旧車らいふ作成

この「Tax on Tax」と呼ばれる仕組みについて、90.1%ものユーザーが「不合理であり、是正すべきだ」と考えていることがわかっています。

図解「ガソリン税に関する意識調査」(出典:JAF)
福島県 60代 女性

ガソリンは物流に不可欠。観光だって人が動かなきゃお金も流れない。

北海道 20代 女性

消費税を設けても良いが、その代わりにガソリン税は無くすなどの処置が欲しい。不景気な現状で国民の負 担が増えている事は明白なので、現状に合わせて軽減する対策を立てるべき。

神奈川県 30代 女性

それを知らない消費者がほとんどだから、問題ないと言い張るなら販売価格の内いくらが税金なのかを提示 するようにするべき。

生活必需品であるガソリンに対し、税金そのものを「商品」と見なして課税するこの仕組みは、論理的に破綻しており、多くの国民が強い不満を抱くのは当然と結果と言えます。

13年重課:エコの名を借りた「買い替え促進策」?

新車登録から13年(ディーゼルは11年)を超えると自動車税・重量税が上がる「重課」。

簡単に言うと国の税収は1円も減らさず、「エコカーは税負担を軽くしますね。そのかわり、古い車からは税負担を重くしますよ。」という税制なんです。

効果測定がない

二酸化炭素排出イメージ

政府はこの13年重課導入後、二酸化炭素の排出率がどれくらい減ったか公表していません。

新車買い替えの促進ではないか

自動車工場

古い車に重課することで、買い替えが促進されるという暗黙の了解があります。

日本自動車工業会の税制ページでは「排気量ベースの税」「取得時の環境性能割」「重量税・税率」「エコカー減税」など、制度の対象・基準・優遇のあり方の見直しを求めていますが、個別の「重課措置」の是非までは踏み込んでいません

13年重課の矛盾点とは

 13年重課には矛盾点があります。

  • 新車製造時には大量のCO2が出る → 長く乗る方が環境に優しいケースも多い
  • 「古い車=燃費が悪い」はもはや誤解 → 2012年式のフリード(16.6km/L)の方が新型(2024年モデルは16.5km/L)より良い例も
  • 世界で最も厳しい車検を通った車は排ガス基準を満たしている

そもそもなぜ13年目以降なのか、明確な基準が見えません。

政府はその理由を「古い車は環境への負荷が大きいから」と説明していますが、JAFの調査では76.9%のユーザーがこの制度に反対

図解「自動車税制に関するアンケート調査」(出典:JAF)
「あなたは車齢だけで一律に重課を行うことについてどうお考えですか?」(出典:JAF)
宮城県 70代 男性

大事に丁寧に乗った車を長持ちさせたのに税金が高くなるのはおかしい。

東京都 20代 男性

物を大切にする気持ちや丈夫なものを作り、維持していくことはむしろ環境に良いはずである。

「車は贅沢品」は昔の話。地方ほど重くなる税負担の不公平

都心に比べ公共交通機関が少ない地方では、自動車は贅沢品ではなく、通勤、子供の送り迎え、通院、買い物に不可欠な「生活の足」です。

JAFのデータによれば、1世帯あたりの車の普及台数は、福井県の1.685台に対し、東京都は0.410台と、地域によって車への依存度が全く異なります。

順位都道府県世帯あたり
普及台数
1福井県1685
2富山県1629
3山形県1624
4群馬県1573
5栃木県1550
6長野県1541
7福島県1521
8茨城県1520
世帯あたり普及台数の多い都道府県(出典:JAF)
都道府県世帯あたり
普及台数
東京都0.41
大阪府0.61
神奈川県0.67
京都府0.789
兵庫県0.885
埼玉県0.924
千葉県0.93
北海道0.989
世帯あたり普及台数が1台未満の都道府県(出典:JAF)

データだけでなく、地方で暮らす人々のコメントからも明らかです。

高知県 60代 女性

公共交通機関が充分な地域(大都市)と不十分な地域とでは車の必要度が違ってくる。大都市では自家用車が無くても暮らしていけるが公共交通の不十分な地域では必需品となっている。

徳島県 20代 女性

私の地元は電車の最寄り駅から1時間以上かかるし、バスは廃止されてしまった。

この現実は全国一律の自動車税制が「公平」とは名ばかりで、実質的に地方在住者への懲罰的な課税として機能していることを浮き彫りにしています。

まとめ:古い車に大切に乗り続けることも税制を見直す動きに一役買う

日本の自動車税制は国際的に見ても極めて重く複雑です。

「Tax on Tax」や「13年重課」といった非合理的なルールが残り、特に地方で暮らす人々の生活実態からかけ離れたものとなっています。

2026年度までに車体課税全体の抜本的な見直しが議論される予定であり、今まさに、このゆがんだ税制を変えるための重要な岐路に立っています。

「古い車は環境に悪いので重課する」から「長く大切に乗るべきだという考えに転換する」考えもあります。

定期的な整備記録がある車を年数に応じて減税していくシステムはどうでしょうか?

つまり、今までの「新車に買い換えなきゃダメ」という社会的圧力に屈しないで、整備しながら長期保有文化を実践するということになります。

筆者は旧車オーナーの一人としてメンテナンス記録を取りつつ、大切に乗り続けることが一つの抵抗になると考えています。

この記事が車選びのお役に立てたならとてもうれしいです。

次回もカーライフに役立つ内容をお届けします。

最後まで見ていただいてありがとうざいました。

今日もすばらしいカーライフを!

ブログのサーバーはConoha、テーマはSWELLをつかっています。


 

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