

缶スプレーの塗装に失敗してしまいました。
そもそも直せるのでしょうか?



失敗にはゆず肌、サメ肌、白化があります。
いったん剥がしてから再塗装が一番の近道かな。
缶スプレーで塗装しようかお悩みではありませんか?
きれいにマスキングすれば塗装の8割は成功です。
しかし、慣れが必要なので始めてのDIYは誰しも不安ですよね。
初心者でも失敗例とその対策を知っておけば成功率は高まります。
管理人は旧車歴29年の間、スプレー缶でおよそ10箇所をDIY塗装してきました。屋外塗装なのでゆず肌、サメ肌のような失敗を経験しています。
これまでの失敗はランダムサンダーではがし、再塗装することでコツを覚えてきました。
板金塗装を依頼するとたしかにきれいに直りますが、補修費用が増します。
そこで今回は、費用を抑えたい初心者の方にスプレー塗装の失敗例と原因、修復方法を具体的に解説していきます。
この記事を読めば失敗例を理解でき、作業工程をイメージしやすくなります。万が一失敗しても修復方法がわかるので、落ち着いて作業を進められます。
DIY塗装を成功させたい方はぜひ最後までお読みください。
- 塗装でいつも気をつけていること
- 3つの失敗例と失敗を防ぐ方法


【たかまるはFP✕旧車歴29年】
旧車歴29年、カバー歴16年|VWゴルフ2オーナー|サビ・キズ・故障はできるだけDIYでやっつけるなど、維持費削減も忘れません|FP3級・簿記3級取得|特技:家計管理|コスパよく車を維持するための視点で記事を発信中
\缶スプレー塗装をもっと知りたい方は/
- 【初心者向け】車の缶スプレー塗装:やってはいけない5つの注意点
- 【初心者向け】車の缶スプレー塗装 3つの失敗例と補修のしかたを徹底解説
- 【初心者必見!】缶スプレー失敗からやり直す方法:旧車歴29年が徹底解説
- 【保存版】車の価値を高めるコツ 7選 – 長く乗るための完全ガイド
缶スプレー塗装はなぜ失敗しやすい?【初心者がハマりやすい落とし穴】


缶スプレー塗装はなぜ失敗してしまうのでしょうか。
初心者がハマりやすい落とし穴は3つあります。
スプレー缶の圧力・距離・湿度が仕上がりを左右する


- 缶の圧力不足
- 距離が合っていない
- 湿度が高い
缶の圧力不足
1つめは「缶の圧力不足」です。
缶を温めずに吹いてしまうと圧力が弱く、塗料がうまく噴射されません。
まばらに散ってしまうので塗面が凸凹になってしまうのです。
距離が合っていない
2つめは「距離が合っていない」です。
通常20cmの距離を保ってスプレーするのが一般的です。
吹いているうちに近づけたり、遠ざけたりすることで塗面が均一にならなくなります。
湿度が高い
3つめは「湿度が高い」です。
湿度が高いと乾燥する間に湿気が塗料に入り込み、白化現象を起こします。
雨上がり直後や朝露がおりる早朝はさけるべきです。
缶スプレー塗装の3大失敗例【実例付きで原因とやり直し方を紹介】


代表的な失敗としてタレ、ムラのほかに、ゆず肌、鮫肌、白化があります。


塗装に失敗すると、液体コンパウンドで磨いてもきれいにならないのでがっかりです。
せっかく始めたDIY塗装。
つまづかないためにも失敗の原因と修復方法を参考にしてください。
失敗① ゆず肌(表面がボコボコになる)


塗装の失敗例1つめは「ゆず肌」です。ゆず肌とはスプレー塗装した際に塗面が柑橘類のように凹凸になる状態です。
塗装面が凹凸になっているのでクリアーを吹いても凹凸が強調されて塗面は平らになりません。


ゆず肌の原因:吹きすぎ、距離が近い、塗装面手前で乾燥
ゆず肌をつくってしまう原因は5つあります。
- スプレー缶と塗面の距離が近すぎる
- 塗面との適切な距離は20cm
- 缶の圧力不足
- 塗料の温度不足
- 必要以上の圧力でスプレーする
- 塗面に付着する前に塗料が乾燥してしまう
ゆず肌のやり直し方:耐水ペーパー#1500で研磨→再塗装


ゆず肌は表面が凸凹になっているだけです。
1500番の耐水ペーパーで丁寧に研いでいけば平らになっていくので、再塗装までもっていけます。
- 水をかけながら耐水ペーパーで研磨
- 1000番→1500番→2000番の順で研磨する。
- 同じ力で平滑する
- 力をいれるとパッドで凹をつくってしまい、すべて剥がすことになる。
- 時々拭き取って平らになったか確かめる
- もう一度スプレー塗装する



パッドがあると平らな面が作れるので楽ですよ。
\ 研磨用パッドもついてます /


\失敗しそうならシンナーを手元に!/


まだ塗面が乾いていなければ、スプレーシンナーを使い、ウエスで塗料を拭き取ることでいち早くやり直すことができます。
しかし、ノートくらいの大きさなら耐水ペーパーだけでもいけますが、それ以上大きくなると時間と労力が必要なのでランダムサンダーで削ってしまった方が楽です。
再発防止ポイント:圧力を上げ、20〜25cm距離を保つ
対策は2つあります。
- 缶の圧力を上げる
- 距離感をつかむ
対策1【缶の圧力を上げる】


- スプレー缶を常にお湯で温めておく
- 特に冬場は気温が15度以下になるので、日光で塗面を温めておくとよい
対策2【距離感をつかむ】


- 手のひらを大きく開いた小指と親指の長さが約20cm
- スプレーする前に塗面との距離を確かめるとよい
失敗② サメ肌(粒状でザラザラになる)


塗装の失敗例2つめはサメ肌です。
サメ肌とは、塗面がサメ皮のおろし板のようにゴツゴツとした小さな凹凸になる状態です。


ゆず肌よりも細かい凹凸になります。
サメ肌の原因:圧力不足・乾燥が早すぎて溶剤が伸びない
サメ肌をつくってしまう原因は3つあります。
- 缶の圧力不足
- 溶剤が伸びない
- 塗面で広がる前に固まるので凸凹が強まる
- 塗面の温度不足
サメ肌のやり直し方:ランダムサンダーで全体をならす→再塗装
硬い膜を作るウレタン塗料だと、ならすというより削ることが多くなります。
耐水ペーパーだけに頼るとかなりの時間と労力が必要なのでサンダーを使います。
ランダムサンダーで一律に平らにするのが効率よく作業が進みます。
コツ:塗料が霧状に届く距離をキープ(20cm前後)
サメ肌の予防策はゆず肌と基本的に同じです。
対策1【缶の圧力を上げる】


- 缶を常にお湯で温めておく
- 気温が15度以下の時は塗面の温度も低いため、日光で温めておく
対策2【距離感をつかむ】


- 手のひらを大きく開いた小指と親指の長さが約20cm
- スプレーする前に塗面との距離を確かめるとよい
以下の記事ではランダムサンダーが必要な理由について「缶スプレー塗装 失敗からやり直す方法」で詳しく解説しています。こちらも併せて参考にしてください。


失敗③ 白化現象(曇ったように白くなる)


塗装の失敗例3つめは白化現象です。
白化現象とはスプレーした際に塗面が白くぼやけてしまう現象のことです。
白化の原因:湿度が高い/乾燥不足
白化をつくる原因は3つあります。
- 梅雨のような多湿のときに発生する
- 塗膜の表面に空気中の水分が結露して白く濁る
- 特にクリアーを吹くときに見られる
白化のやり直し方:乾燥→#1500研磨→再クリア


ラッカー塗装で白化が見られたのであれば、クリアーを吹かず乾燥させ、すべて耐水ペーパーで研磨していきます。
透明クリアーで白化が見られたのであれば、乾燥後、1500番→2000番の耐水ペーパーで薄く削っていきます。
どちらの場合も研磨の途中で水分を拭き取り、白化が残っているかどうか確かめることが必要です。
対策1:湿度80%以上の日は避ける(Yahoo天気で確認)


対策の1つめは湿度80%以上では塗装しないことです。
しかし、天気の良い日に休みを合わせられる方は少ないはずです。
せっかくの休みなので天候が悪くても作業したくなってしまいます。
ただ、残念なことに湿度80%以上で塗装するとほとんど白化現象になるといっていいでしょう。
対策2:Yahoo天気で湿度をチェックする


対策の2つめは天気予報で湿度を細かくチェックすることです。
晴れていても湿度が高い時間帯があります。天気予報を活用して前日のどの時間帯が塗装に適切か見ておきましょう。
- Yahoo天気で塗装時間帯の天気、気温、湿度、風速をチェックする
- 湿度表示の温度計があれば、作業場所に移動させてチェックする
6〜8月の期間は晴れの予想でも、早朝に湿度80%を超えることがあるので注意が必要です。
午前は養生の時間に使い、午後3時以降に塗装するようにしています。
塗装の失敗を防ぐための3つのチェックポイント
塗装の失敗を防ぐためにまわりの環境にも目を向けてみましょう。
チェックポイントは3つあります。
- 天気と湿度
- 風とホコリ(屋外なら風速2m以下が目安)
- 気温と乾燥時間(15〜25℃が理想)
①天気と湿度(前日〜翌日の変化を確認)


塗装するときは天気予報で前日から翌日までの天気を調べています。
塗装をする上でぜったいに避けなければならない天気や時間は次の通りです。
② 風とホコリ(屋外なら風速2m以下が目安)


塗装をするうえで作業場所の確保はとても大切です。
理想は風速2m以下がベスト。
また、車の塗装は数時間ほどかかるので、長時間作業しても迷惑にならない場所を確保することが大切です。
自宅の車庫なら天候の心配も少ないですし、他のクルマに迷惑もかかりません。
他に例をあげると河川敷にスペースを見つけることができたら最高です。
風の強くない費を選べば換気もよく、人通りも少ないので塗装の場所としておすすめです。
③気温と乾燥時間(15〜25℃が理想)


気温が15度以下、28度以上になると乾燥する際に乾きが悪すぎたり、シンナーが早く飛びすぎてムラになるのでぜったいに避けてください。
塗装した後はボディを乾かすので晴れた日の日中に作業するのが一番です。
屋根がない場所でも曇りの日なら塗面もそれほど熱くならないのでよい環境といえます。
【避けるべき日や時間】 雨、湿気が多い日


雨が近づいている日や湿気の高い日は失敗する確率が極めて高いです。
このような日はたとえ3時間ほど隙間時間ができても車のスプレー塗装は避けておきましょう。
塗装のベストシーズンは春と秋
年間では、5月〜6月上旬、9月下旬から10月まで塗装に適した季節となります。
旧車整備の雑誌『オールドタイマー』No.192、194 でも塗装に適した気温は22度〜24度と解説しています。
最初に塗ったとき、まだ奥義の「オ」の字も知らずに外気温32度Cのなか塗装を敢行。
結果、ザラザラの仕上がりとなった。
それを徹底的に研ぎ出してリカバリー塗装を行ったものの、やはりザラザラに。
なぜか?外気温28度Cのときに塗装したからだ。連日35度C前後の日が続くなか、ストンと28度Cに下がった日があった。
体感的に25度C位に感じたのである。
しかしスプレーは正直だった。
そうなるとなかなか都合の良い日が見つからないですね。
ですので、管理人は次回の塗装日は10月下旬と決め、塗料や養生グッズを用意して待ち構えています。
「よし、ここだ!」という日が来たらいっきに養生し、塗装作業を始めましょう。
また、塗装して終わりではなく、塗装後2週間程度はできるだけ洗車を控えたり、風雨にさらさないことも忘れないようにしてください。
梅雨や猛暑、積雪の時期に重なって作業ができなければ、板金塗装のプロに依頼した方がいいでしょう。
塗装のやり直しで使える便利アイテム【プロも使う定番】
塗装が失敗することを見越して以下の便利アイテムを用意しておくとあわてなくて済みます。
用途 | 名称 | 数量 | 価格 |
---|---|---|---|
平滑処理 | サンドペーパーセット | 1 | 500円 |
パッド | 1 | 400円 | |
養生 | マスキングテープ | 3 | 450円 |
養生シート50cm幅 | 1 | 1,050円 | |
シリコンオフ | 1 | 900円 | |
塗装 | スプレー塗料 | 1 | 1,100円 |
クリア | 1 | 1,200円 | |
研磨 | 液体コンパウンド | 1 | 2,000円 |
ランダムサンダー | 1 | 12,200円 | |
作業全般 | スコットペーパータオル | 1 | 1,100円 |
合計 | 23,800円 |
ほかにも段ボール箱を用意しておくと小さいパーツを塗装したりできるので便利です。
塗装の失敗から学んだこと【次回に活かせる3つの教訓】
これまでの塗装経験で失敗から学んだことは以下の3つです。
- 缶を温めると圧力が安定する
- 一度に厚く塗らず3〜4回に分ける
- 乾燥後は必ず光の下で確認する
屋外塗装の場合、特に塗装を早く終わらせたい気持ちをおさえるのが重要です。
垂れる手前で止めるのがポイントです。
まとめ:塗装の失敗は「慣れるまでの通過点」圧力、距離、湿度に注意すれば防げる


缶スプレーの代表的な失敗として、ゆず肌、サメ肌、白化があります。


- ゆず肌
- お湯で温めて缶の圧力を上げること
- 塗面との距離感(20cm)をつかむ
- サメ肌
- お湯で温めて缶の圧力を上げること
- 塗面との距離感(20cm)をつかむ
- 白化
- 湿度80%以上では塗装しない
- Yahoo天気で湿度をチェックする
硬い膜を作るウレタン塗料の場合、耐水ペーパーだけでは時間と労力がかかります。
ランダムサンダーを使って効率よく進めていきましょう。



塗装前に用意するものや失敗の対策がわかってきました!



準備さえちゃんとできてれば、思ったよりもきれいに仕上がるので挑戦してみてね。
以下の記事では塗装の失敗からすばやく立ち直る方法について「缶スプレー塗装完全ガイド」で解説しています。
こちらの記事と併せてぜひ参考にしてください。


この記事がDIYスプレー塗装の成功につながればうれしいです。
最後まで見ていただきありがとうざいました。
今日もすばらしい旧車らいふを!
今回作業で使った道具は下記にまとめてあります。よかったら参考にしてください。
\ 乾いてなければスプレーで落とせる /


\ 万能ペーパータオル /


\ 失敗したらランダムサンダー /


\ パッドを変えるとポリッシャーにもなります /


\ パッド付きで細かいところも落とせます/


\ 手袋あればかんぺきです /

