缶スプレーで塗装しようと思っています。塗装のコツやアドバイスをもらえませんか?
缶スプレーで塗装しようと思っています。塗装のコツやアドバイスをもらえませんか?
塗装は下地処理が大切です。
塗装のコツとやってはいけない注意点をまとめたので参考にしてください。
- 缶スプレー塗装6つのコツ
- 缶スプレー塗装5つの注意点
缶スプレーで塗装しようかお悩みではありませんか?きれいにマスキングしてしまえば、塗装の8割は成功です。しかし、塗装は慣れが必要なので始めは誰しも不安ですよね。そんな初めての方でもやってはいけない注意点をおさえておけば塗装の成功率は高まります。
管理人は旧車歴28年の間、スプレー缶でおよそ10箇所を塗装してきました。屋外塗装なので、ゆず肌、サメ肌を何度も経験しています。そこで今回は初心者向けに缶スプレー塗装6つのコツとやってはいけない5つの注意点を解説していきます。
この記事を読むと、塗装の失敗につながる事例を学べ、初心者でも作業工程をイメージしやすくなります。塗装を失敗したくない方はぜひ最後までお読みください。
旧車が好きで個人売買で出会ったゴルフ2に28年乗り続けています。ファイナンシャルプランナーを取得したことでコスパを考えて旧車生活を楽しむようになりました。
好きな車を見ているだけで幸せですが、それなりに維持費がかかります。
このブログでは旧車を所有している方、これから乗りたい方のためにコスパ・タイパを考えた記事をお届けしています。
すでに塗装を失敗してしまった方は、修復の仕方について「缶スプレー塗装 3つの失敗例と修復のしかた」で解説しています。5つの注意点と併せて参考にしてください。
初心者向け塗装のコツ 6選
塗装のコツは6つあります。必ずおさえておきましょう。
- 養生で手を抜かない
- 缶スプレーは少し余るくらい用意する
- 下地処理(足付け)は800番でパッドにつけて行う
- 吹き付ける距離は20〜30cm
- 噴射は垂直方向、並行に動かす
- スプレーのボタンを押しっぱなしにしない
塗装のコツ① 養生で手を抜かない
初心者向け塗装のコツ1つめは「養生で手を抜かない」です。
塗装を始める前に塗料をつけないように周辺の保護が必要です。塗料が飛散しないように、マスキングシートやマスキングテープを使用してしっかりと覆います。
スプレー塗装の場合、塗料が広範囲に飛び散るので、スプレーブースで作業することが推奨されていますが、屋外塗装の場合は少なくとも5m以上のクリアランスが必要です。
この範囲であれば周囲の環境を汚さずに作業を進めることができます。
塗装のコツ② 缶スプレーは少し余るくらい用意する
初心者向け塗装のコツ2つめは「缶スプレーは少し余るくらい用意する」です。
塗装に使用する缶スプレーは、車種に特化した色やツヤの有無など多様な種類があります。仕上がりをイメージし、車種に合った缶スプレーを選びます。
作業範囲を測っておき、1本でどれくらいの広さを塗れるのか計算しておきましょう。少し余るくらいの方が、作業中に足りなくなるよりも安心です。
塗装のコツ③ 下地処理(足付け)は#800でパッドにつけて行う
サンドペーパー足付け後
初心者向け塗装のコツ3つめは「下地処理(足付け)は#800でパッドにつけて行う」です。
塗料が滑らかに付着するためには、下地の調整が不可欠です。ツルツルした表面では塗料がはがれやすいからです。細かい傷をつける「足付け」をします。
細目のサンドペーパー(#800)をパッドにつけて表面に傷をつけ、その後、サンドペーパーで削れた粉をウエスでしっかりと拭き取ります。
シリコンオフを使って脱脂することも忘れないでください。
塗装のコツ④ 吹き付ける距離は20〜30cm
初心者向け塗装のコツ4つめは「吹き付ける距離は20〜30cm」です。
缶スプレーを使用する際、対象物から20〜30cm離した位置から噴射するのが適正です。近すぎると塗料が垂れたり、乾燥に時間がかかります。逆に遠すぎると塗料が薄く、まばらに吹き付けられゆず肌の原因となります。手の親指から小指を広げた長さが約20cmなので、距離がわからなくなったら手で測ってみてください。
塗装のコツ⑤ 噴射は垂直方向、並行に動かす
初心者向け塗装のコツ5つめは「噴射は垂直方向、並行に動かす」です。
スプレーするときは塗面に対して垂直に、横方向に並行に移動させながら噴射させます。ジグザグや円を描くように塗ると、塗膜の厚さが変わってしまいます。
図のように噴射口を垂直に向け、20〜30cmの距離を保って並行移動させると、均一な塗装面ができあがります。
塗装のコツ⑥ スプレーのボタンを押しっぱなしにしない
初心者向け塗装のコツ6つめは「スプレーのボタンを押しっぱなしにしない」です。
スプレーを吹き付ける際は、対象物の外側から始め、反対側の外側に出るまで吹き続けます。これにより、均一にスプレーされます。ボタンを押しっぱなしにせず、1列ごとに手を離して平行移動させます。1列塗り終わったら、2列目は1列目に重なるように塗ります。
塗料の量が中央に多く、周辺に向かって薄くなるため、薄くなっている部分を重ねるイメージで塗装します。
以上のコツを試していくことで、初心者でもプロ並みの仕上がりが期待できます。
缶スプレー塗装 やってはいけない5つの注意点
缶スプレーは板金塗装のおよそ2割の費用で補修できるので、コスパを重視したいオーナーさんにピッタリの選択です。
塗装のコツさえつかめば初心者でもつやのある仕上がりになりますが、やってはいけない5つの注意点があります。
- 消耗品を少なく見積もる
- 養生をサボる
- 悪天候を選ぶ
- 一日で終わらせようとする
- スプレー缶を温めない
5つの注意点① 消耗品を少なく見積もる
やってはいけない5つの注意点の1つめは、材料費を少なく見積もるです。
最大に見積もったとして材料費が板金塗装代を超えなければいいわけですから、多少のやり直しも見込んで材料を発注しなければなりません。予算をギリギリで組んでしまうと、いざ失敗したときに材料が手元になく、次の作業まで時間が空いてしまいます。
板金塗装に5万円程度かかりそうなら、半額の2.5万円を上限としておきましょう。
以下の一覧表では下地処理から仕上げまで必要装備品をリストアップしています。すべて合わせても23,800円なので缶スプレー塗装のコスパがよいことがおわかりかと思います。
【塗装の主な材料と道具】
用途 | 名称 | 数量 | 価格 |
---|---|---|---|
防錆塗料 | POR15 | 1 | 2,400円 |
穴埋め 平滑処理 | パテ | 1 | 800円 |
平滑処理 | サンドペーパーセット | 1 | 500円 |
平滑処理 | パッド | 1 | 400円 |
養生 | マスキングテープ | 3 | 450円 |
養生 | 養生シート50cm幅 | 1 | 1,050円 |
養生 | シリコンオフ | 1 | 900円 |
塗装 | スプレー塗料 | 1 | 1,100円 |
塗装 | クリア | 1 | 1,200円 |
研磨 | 液体コンパウンド | 1 | 2,000円 |
研磨 | ランダムサンダー | 1 | 12,200円 |
作業全般 | スコットペーパータオル | 1 | 1,100円 |
合計 | 23,800円 |
5つの注意点② 養生をサボる
やってはいけない5つの注意点の2つめは、養生をサボるです。
養生がかんぺきなら、塗装の8割は成功したといってもいいでしょう。逆に養生がいいかげんだときれいに仕上がりません。要因は2つあります。
養生がうまくいかない要因1 養生シートを使わない
養生がうまくいかない要因の1つめは、「養生シートを使わない」です。新聞紙を張り合わせてもいいのですが、デメリットの方が目立ちます。
- 新聞の貼り合わせに時間かかる
- 細かい穴から塗料が侵入してしまう
シートを使わないデメリット1 張り合わせに時間がかかる
シートを使わないデメリットの1つめは、新聞の張り合わせに時間がかかります。
DIY塗装は屋外で作業している方が多いはずです。無風の晴れた日に行うので、養生に時間がかかると塗装のタイミングを逃してしまいます。
シートを使わないデメリット2 穴から侵入してしまう
デメリットの2つめは、細かい穴から塗料が侵入してしまうおそれがあります。
塗料は細かい霧の状態で吹き付けられます。新聞紙のつなぎ目が多いと、すき間から入り込んでしまうことがあります。仕上がりをきれいにしたいなら養生シートの使用をオススメします。必要な長さに切り取って貼るだけなので、新聞紙よりも手間も時間がかかりません。
養生がうまくいかない要因2 隙間をあけてマスキングしてしまう
養生がうまくいかない要因の2つめは、「隙間をあけてマスキングしてしまう」です。
マスキングテープを貼る時に、まっすぐなラインはうまくできても、曲線や細かいところはうまくできないことがあります。「小さなところだから、まあいいだろう」とそのままスプレーすると、数年後にそこから塗料が剥がれてきます。
細かいところや隙間にはつまようじ、曲線は細長い刃のカッターを使って丁寧に養生してください。
5つの注意点③ 悪天候を選んでしまう
やってはいけない5つの注意点の3つめは、「悪天候を選んでしまう」です。
「そんなの当たり前でしょ」と思われる方、そのとおりです。しかし、その基本的なことがなかなかできません。読者のみなさんの中には貴重な休みをとって作業される方もいるはずです。
休日に「養生をして塗装し、乾燥させる」という一連の作業を終わらせなければなりません。ところが、休みの日と天候を思い通りに調整することができないので、「えーい、やっちゃえ」となってしまうのです。
5つの注意点④ 一日で終わらせようとする
やってはいけない5つの注意点の4つめは、「一日で終わらせようとする」です。
塗装面にサビがあったり、凹んだりしているところがあります。こうした下地処理はパテの硬化を待ってから平滑するので、通常1,2週間おかなければなりません。
2日間で下地処理から塗装までもっていく計画を立てたとしても、パテの内部が乾燥していないので、内側が膨張し、乾燥が進むにつれて塗面を内側から押し上げていきます。膨張が進むと塗面が耐えきれなくなり、亀裂が入ってしまいます。
パテの乾燥時間には余裕をもってください。
5つの注意点⑤ スプレー缶を温めない
やってはいけない5つの注意点の5つめは、「スプレー缶を温めない」です。
40℃くらいのお湯でスプレー缶を温めないと、圧力不足できれいに吹き付けることができません。圧力不足はゆず肌やタレを引き起こす原因になり、クリアーを吹いても修復することは不可能です。ランダムサンダーではがしてから塗装をやり直します。
塗装中に「同じ距離で吹いても塗料がうまく乗らない」、「塗料がべたついて、細かな粒状が見え始めた」と気付いたら、スプレー缶を温めることを思い出してください。
まとめ:5つの注意点は1つでも外すと失敗につながる
缶スプレーやってはいけない注意点は5つありました。
- 消耗品を少なく見積もる
- 養生をサボる
- 悪天候を選ぶ
- 一日で終わらせようとする
- スプレー缶を温めない
1つでも外してしまうと塗装の失敗につながります。塗装に失敗したらその面を剥がすしかありません。準備と手順をよく覚えてチャレンジしてください。
塗装の失敗で一番へこんだのは何ですか?
あとちょっとのところで塗料が足りなくなったことです。材料は少し余る用意しておいたほうがいいですよ。
今回作業で使った道具は下記にまとめてあります。よかったら参考にしてください。
\ ↓マスキングしやすい幅30cm↓/
\ ↓使いやすいマスキング18mm↓/
\錆はPOR15を塗るだけで解決!/
ところでランダムサンダーはお持ちでしょうか?ランダムサンダーがあると、塗装に失敗しても効率よく下処理ができるのでスタートラインにすばやく戻ることができます。
さらにパッドを変えれば研磨機になるので、塗装面をツヤツヤのピカピカにできます。
以下の記事ではランダムサンダーの必要性について「缶スプレー塗装 失敗からやり直す方法【初心者必見!】」で解説しています。こちらの記事と併せて参考にしてください。
この記事が缶スプレー塗装の成功につながればうれしいです。次回もカーライフが楽しくなる記事をお届けします。
最後まで見ていただきありがとうざいました。今日もすばらしい旧車らいふを!
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