




エンジンをかけると、キュルッ、キュルッ、と何かひっかかる音がします。何か対策はありませんか?



もしかするとウォーターポンプのプーリーが摩耗しているかもね。ウォーターポンプは8〜10万キロで交換時期なのでそろそろ交換だよ。
エンジンをかけるとアイドリング中に「キュルッ、キュルッ」といった異音が聞こえてきませんか?
異音が不定期に聞こえるところから始まり、30秒に1回は鳴るところまできたらウォーターポンプの劣化が原因かもしれません。
おそらくプーリー側のフィンが摩耗して音が出ていることが予想されます。
回らない状態のプーリーをエンジンで回し続けているのでエンジンやベルトにも冷却効果にも影響が出てきます。
特に最近は猛暑が続くので渋滞が原因でオーバーヒートするゴルフ2が増えているそうです。(旧車専門店さんとの話)
ウォーターポンプを交換すれば、異音問題は解決。冷却水がスムーズに流れ、スムーズな冷却効果が得られます。
そこで今回はウォーターポンプの交換ついて解説していきます。
この記事を読めば準備から交換後までをイメージでき、注意点も含めて作業にのぞめます。
ウォーターポンプ交換をしたことがある方も初めての方も車のコンディションをよくしたい方はぜひ最後までご覧ください。
\ ポンプ交換で異音問題を解決! /


\ ↓ポンプ交換の必須アイテム↓ /


\ ↓フランジからラジエーター下に連結↓ /


\ ↓シリンダーヘッドにつながります↓ /


\ ↓このホースを交換すれば完璧↓ /


\ サーモスタット交換で適温にクーリング /


\ 純正クーラントで冷却効果を保てます /




旧車が好きで個人売買で出会ったゴルフ2に28年乗り続けています。ファイナンシャルプランナーを取得したことでコスパを考えて旧車生活を楽しむようになりました。
好きな車を見ているだけで幸せですが、それなりに維持費がかかります。
このブログでは旧車を所有している方、これから乗りたい方のためにコスパ・タイパを考えた記事をお届けしています。
整備前の状況


走行距離10万kmをこえると、いたるところに不具合が出てきます。
アイドリング中に「キュルッ、キュルッ」いったエンジン音とは別の音が聞こえてきたら、ウォーターポンプをうたがってください。
また、ウォーターポンプ周りにクーラントのしみ出た跡が見られたらそろそろ交換時期に来ています。
エンジンをかけたままボンネットを開けてみましょう。音が聴こえていればポンプの交換時期に来ています。
ポンプはオルタネーターとエアコンコンプレッサーの下にあるため、上から見えにくいです。
1mくらいの鉄の棒が用意できれば、棒をポンプに当てて手や耳で振動を感じ取る方法もあります。エンジンを止めて一度練習してから確かめることをおすすめします。
ウォーターポンプ交換のメリット


ウォーターポンプ交換のメリットは4つあります。


- 冷却性能を維持
- ウォーターポンプは冷却水を循環させる役割を担っています。
- 劣化したポンプを交換することで、冷却水がスムーズに流れ、エンジンが適切な温度を保つようになります。
- 異音の解消
- 摩耗したフィンが原因で発生する「ゴロゴロ音」や「きしむ音」を取り除けます。
- 静かなエンジンルーム環境が復活し、運転が快適になります。
- 部品の損傷防止
- ウォーターポンプがうまく動かないと冷却水漏れや循環不良が発生し、最悪の場合エンジンがオーバーヒートします。
- 早めに交換することで、エンジンやシリンダーヘッド、ガスケットの損傷を防げます。
- 車両の寿命延長
- 交換によってエンジン全体の冷却効率が改善され、適切な温度で稼働します。
- 交換には時間と費用がかかりますが、オーバーヒートさせてエンジン本体の修理になるよりもはるかにコストパフォーマンスが高い選択と言えます!
ポンプ交換に使用する工具


作業に必要な道具を事前に揃えておくことでスムーズに作業を進めることができます。おもな道具は以下のとおりです。
- KTC工具類(ソケットレンチ、プライヤー、ドライバー、ゴムハンマー)
- メガネレンチ
- ジャッキスタンド
- ゴム手袋
- ブラシ(汚れ落とし用)
- サンドペーパー 600〜800番(エンジン側スラッジ除去用)
- スコットペーパータオル(汚れ拭き取り用)
- ワコーズパーツクリーナー(汚れ拭き取り用)
ウォーターポンプ交換に必要な部品


今回用意したのはウォーターポンプとフランジ、ポンプまわりのホースです。
楽天市場では純正品が見つかりませんが、MEYLE(マイレ)1という製品を扱っています。マイレは自動車補修用品のメーカーで23000種もの部品を生産しています。



純正品を使わなくても大丈夫ですか?



時と場合によるかな。



交換してから10年以上たっているけど、マイレ製でも問題なく動いているよ。



マイレでハズレ部品を引いたことはないので紹介しておきますね。
名称 | 部品番号 | 入手先 | 価格 | 工賃 |
---|---|---|---|---|
ウォーターポンプ | 026 121 010 | 楽天市場 MEYLE | 10,440円 | 25,000円* |
フランジ | 055 121 121F | 楽天市場 MEYLE | 840円 | |
ホース(フランジからラジエーターへ) | 026 121 053G | 楽天市場 MEYLE | 2,650円 | |
ホース(シリンダーヘッドへ) | 027 121 053B | 楽天市場 MEYLE | 4,030円 | |
クーラントホース(リザーバータンク) | 068 121 063M | 楽天市場 MEYLE | 760円 | |
サーモスタット | 056 121 113D | 楽天市場 MEYLE | 2,460円 |
純正部品を取りたい方はVW Classic Partsまたは海外のパーツ供給サイト(Heritage Parts Centre 英国のパーツ供給サイトにジャンプします)で探してみてください。
ウォーターポンプ交換の実際


このコーナーでは用意する部品、整備の失敗談や注意点、そして作業工程について開設していきます。
ポンプの位置関係と冷却システムの流れ


ウォーターポンプはリザーバータンクから入った冷却水をエンジン本体やオイルクーラー、ラジエーター、ヒーターコアに送り込む大切な役割を担っています。
ウォーターポンプの全体像


- オルターネーターを取り外す
- エアコンコンプレッサーを取り外す
- パワステポンプを外す
- リザーバータンクキャップを外す
- ホースを抜いてクーラントを抜く
- パワステポンプを外す
- エンジンブロック側取り付け部分のスラッジを除去
- ポンプとホースを取り付ける
- パワステポンプを取り付ける
- コンプレッサーを取り付ける
- オルタネーターを取り付ける
- Vベルトのテンションを確かめる
約6時間(旧車専門店での作業を含む)
- ポンプ交換にたどり着くまでが長い
- プーリーを外す際、供回りしない工夫が必要
- ベルトがついた状態で緩める方法もあり
- エンジンブロック側のスラッジを除去しないと新品に交換しても水漏れする
- クーラントホースやサーモスタットも交換するとよりいっそう冷却機能が保てる
ウォーターポンプ交換の手順①〜⑭
安全第一です。ジャッキスタンドをつかい、体もパーツも壊さないように。
オルタネーターを外さない方法もありますが、作業スペースが増えるので外す方向で進めます。


オルタネーター、エアコンコンプレッサーを取り外した状態
(ラジエーターも外れているので見やすいですね)
出典:VW Vortex
コンプレッサーのホースを外してしまうと、エアコンのガスが抜けてしまいます。


コンプレッサーは意外に重たいので、そっとエンジンヘッドカバー(16Vはインマニ)の上に置きます。
出典:みんカラ
ポンプ周りのボルトを外していきます。


正面(上2本、下2本)とベルトカバー側にもボルトがついています。
キャップを緩めて、古いクーラントを抜いていきます。


エンジンを止めてから30分は様子を見てください。
やけどに注意!
ホースバンドを緩めたあと、ホースを3本を抜いていきます。


ホース上 オイルクーラーの三叉ホースへ
ホース中 リザーバータンクへ
ホース下 ラジエーターへ


リザーバータンクにつながる短いストレートのホースを抜いています。


クーラントが抜けてきました。下に排水受けトレイを設置すると処理が楽です。


ポンプ下についているフランジのホースも抜けました。
残り1つはオイルクーラーとエンジンブロックにつながる三叉ホースです。
サーモスタットを新品にする場合、フランジはポンプにつけたまま外してしまいましょう。


六角ボルト3本を外してプーリを外します。
ポンプ本体のボルトを外します。


1つめはポンプ横についています。
(STEP4画像の黄色部分)
エンジンブロックに取り付けられている4本のボルトを緩めていきます。


ポンプ上の2本を外します。


ポンプ下の2本を外します。


外したポンプ(正面)


外したポンプ(プーリー側)
ポンプが外れるとエンジンブロックに錆びている面が現れます。錆びた面のスラッジを除去します。


錆びた面をペーパーがけします。
砥石に巻いて作業すると便利です。
エンジンブロックに取り付けるボルト4本を取り付けます。


ポンプの向きを確かめます。


4本のボルトを締め付けトルク14Nmで取り付けます。


エンジンブロック側のボルト


ベルトカバー側のボルトを取り付けます


ホースを取り付け、ホースクランプを締めていきます。
※ホースが新品で入りにくい場合はホースの縁に556を少しつけると入りやすいです。


ラジエーター側のホースも取り付けます。


ラジエーター側のホースクランプ


ポンプをプーリーに固定します


六角ボルトは3箇所


プーリーに締め付けトルク9Nmで固定します。


サーモスタット、Oリング、フランジを取り付けます。


プラスネジ2本で固定


フランジを締め付けトルク13Nmで取り付けます。
出典:autodoc
ポンプをエンジンブロック側に仮止め。その後プーリーに取り付けていきます


プーリー側、締め付けトルク9Nm
エンジンブロック側、締め付けトルク14Nmで取り付けていきます。
出典:みんカラ
エアコンコンプレッサーを元通りに取り付けます。


エアコンコンプレッサー(低圧高圧ホース側)


エアコンコンプレッサー(プーリー側)
出典:euromagic
コンプレッサーの次はオルタネーターです。


ボルトA 上下の位置調整
ボルトB 左右の位置調整
出典:ロバートベントレーサービスマニュアル


左右のボルトを緩め、オルタネーターを引き上げるとテンションがかかる


Vベルトは90度にねじれる程度にテンションをかけます。
位置が決まったらボルトを締めていきます。
締め付けトルク10Nm
ポンプ プーリー側:9Nm
ポンプ エンジンブロック側:14Nm
Vベルト(オルタネーター):10Nm
ウォーターポンプ交換後の感想


155,104km時はハブベアリングとウォーターポンプを交換。
当時のメカさんとの話では「音が出るまで放置すると冷却水が回りにくくなるのでオーバーヒートしやすくなる」とのことでした。もう少し早く交換すればよかったです。
今まで気になっていた、「水温計が110度まで上昇」は解消され、安心してドライブを楽しむことができています。
まとめ:キュルッ、キュルッという音が聞こえたら、ウォーターポンプ交換の時期に来ている


走行中にエンジン音とは違うキュルキュル音がしたら、ウォーターポンプの交換時期が来ているかもしれません。
ウォーターポンプが摩耗して音が出ていることが予想されます。ウォーターポンプを交換すれば、車の冷却効果の維持や異音の問題を解決することができます。
- 冷却性能を維持
- 異音の解消
- 部品の損傷防止
- 車両の寿命延長



旧車専門店に連絡して、交換してもらいます!



冷却系の交換は渋滞によるオーバーヒートから車を守ってくれるので安心だね。
次回も旧車生活が楽しくなる記事をお届けします。
最後まで見ていただいてありがとうざいました。今日もすばらしい旧車らいふを!
使用したパーツや道具は下記にまとめてあります。
よかったら参考にしてください。
\ ポンプ交換で異音も冷却問題も解決! /


\ ↓ポンプ交換の必須アイテム↓ /


\ ↓フランジからラジエーター下に連結↓ /


\ ↓シリンダーヘッドにつながります↓ /


\ ↓このホースを交換すれば完璧↓ /


\ サーモスタット交換で適温にクーリング /




\ グリスの塗り込みなら手袋必要です /


\ 大容量なので油汚れをしっかり落とせる /


\ ↓濡れても切れにくい ↓ /


\ 工具セットでほとんどのメンテをカバー/
↑エクステンションバー付き
- MEYLEは自動車補修用部品の製造メーカーで、純正品ではありません。
ドイツのハンブルグに本社を置いているウルフ・ガートナー社が運営しています。23,000種類以上の自動車部品を製造し、世界120カ国以上で高い評価を得ています。MEYLEは品質に厳しく、問題が発生した場合は製品を回収して原因究明と対策を行っています。 ↩︎